穂苅太郎

ブラザーの穂苅太郎のレビュー・感想・評価

ブラザー(2017年製作の映画)
3.5
顔や体つきはもちろんのこと、靴を脱いで家に上がる、 キッチンを人目に晒して何とも思わないことなど、韓国の生活文化には共通点も多く、微妙なところでの違いがパラレルワールド感を醸し出す。同じような人が同じような生活をしているのだけど確実に違う世界。韓国映画の楽しみのひとつだ。
ただどうしても違う世界なのだと気づかされるのがしゃべってる言葉もそうなのだが、 上司から酒を注いでもらった時に横を向く習慣と葬式のあり方なのだった。

ただでさえ違和感のある葬式は今作より 儒教に基づいた封建的な地方での家族でのこと。大変興味深かった。 果物を供える時に上の皮をむいているのは死者が食べやすくするためなのか?親の葬式に出ないことが人格否定にまで責められることなのか? 家督を継ぐことというのがそこまで大きなことなのか? 葬式を含めて法事が年に24回あるって何だ? お悔やみの際に本当に「あいごう」って言うんだ・・・非常に興味深い。

ただどの韓国映画にも共通していて、 時には大きく干渉の妨げになってしまうのが、家族特に親に対する、日本人からするとあまりにも過激な感情の振れ幅だ。甘えたり愛したり憎んだり嘆いたりが何もトゥーマッチに感じてひいてしまうのだ。
これは本作に限らずどの作品にも共通すること。しかも度々当然のことながら物語の主軸のテーマになっていて困ってしまう。

全体的には多少しつこさもあるがさらりとしたコメディでよろしいんじゃないでしょうか。
穂苅太郎

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