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ある少年の告白のpriskyのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.5
ゲイである息子を受け入れられず、矯正施設に入れた親と、親を思うあまりに自分を矯正しようと素直に従う息子。その両方の葛藤が繊細に描かれている。

けど、その葛藤に、キリスト教のバイアスがかかってるので、無神論者に近い仏教徒のわたしには、「神の愛がそんなに重要?」「ここまで個人の人格を否定する神って本当に救いになる?」と、両親と施設スタッフのことを狂ってるとしか思えなかった。

神の教えよりも、子どものほうが大事だと、母親は気付くことができた。しかし神父である父親は、そのことを認めることができない。

、、、もうキリスト教を手放せばいいのにって思っちゃった。

キャメロンは神からも施設のスタッフからも家族からも自分を否定され、生きることができなくなってしまった。彼は、キリスト教とそれを信じる家族に殺されたのだと思う。

まぁ、キリスト教が悪いのではなく、盲信することが悪いと言えるけど。

実話に基づく映画なので、施設スタッフのサイクスも実在の人物。その人物はいま“夫“と暮らしているという。つまり治療なんて効果ないのだ。嘘っぱちだったんだ。きっとスタッフたちも必死に演じてたんだろう、同性愛者ではない自分を。なんやこれ、みんな苦しいな。

嘘をつくな、演じるな、自分のままで生きろ。
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