暁に祈れのmhのネタバレレビュー・内容・結末

環境劣悪なタイの刑務所の中でボクサー／ジャンキーが更生していく話。
説明を廃した省略多めの展開がすばらしい。これぞ映画という制作者側の気概と、その風格が味わえる。
レイプ、自殺、薬物汚染、汚職警官と賄賂など、刑務所全部セットがいちいち強烈。
作中「ヘロイン」となってたけど、Wikipediaだとクリスタルメスとヤーバー（どっちも覚せい剤）となっているね。ヘロインの離脱症状は「クリスチーネF（1981）」で詳しくやってたけど、全身に激痛が走るあれとは別だったのでやっぱりヘロインではないのでは？
囚人を半殺しにした（もしくは殺した）ことが底つき体験となり、更生がはじまるんだけど、ちょいちょいリバウンドするのがなまなましくていいね！　事実、ご本人はプレミア試写会を強盗で欠席するというとんでもないムーブかましてくれる。更生したけど善人になったわけではない。この映画でもそういうふうに描いている。
貧困社会のドキュメンタリーみたいな一面もあって全身刺青のひとたちがいっぱいいるのもすごかった。
「ジョニー・マッド・ドッグ」の監督さんか！　とんでもないね！
面白かったです！