松井の天井直撃ホームラン

暁に祈れの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
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☆☆☆★★★

簡単に。

例えば、『ミッドナイト・エクスプレス』で有ったり。『ブロークダウン・パレス』で有ったり…と。
言葉も通じない異常な環境下に放り込まれたのなら、果たしてまともな精神状態でいられるのだろうか?

この映画の主人公で有るビリーもそんな1人。
全く言葉が理解出来ない上に、「俺、殺されちゃうのか?」とゆう。いつ殺されてもおかしくない状況下。いつ発狂してもおかしく無い。
収容所内で有りながら薬物が行き交い、殺し合う時さえ有る。
薬物の使用で何とか恐怖に打ち勝ち、精神を保てていた状態でも有った。

そんなビリーが、収容所内でのムエタイをやり始めるのは。元々ボクサーで有ったビリーにとっては必然だったのだろう。
だがそれによって、ビリーの身体はジワジワと蝕まれて行くのだが…。

最後は、生き急いだ青春像の様に描き。やがては絶望に変わるのか?と思わせたのだが…。

絶えずクローズアップを中心とした撮影によって。観客をあたかも、その場に居るかの様に仕向けている演出が怖さを倍増させている。

2018年12月9日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン5