オーストラリアは定期的にイカれた作品を排出するよなぁ。
ありがちなB級ゾンビコメディあほ映画だと思ったら、予想の斜め上をいく良い出来だった。
ものすごくごちゃ混ぜなのに結構コンパクトにまとまっててうまい。
まず子役の使い方がいいよね。可愛らしさ振り切ってる。ウザ気味な子もいれば大人びて冷めた子もいたり、でもみんな愛くるしい。
単なる脇役や添え物、更には足枷となる役柄じゃないのがとても素晴らしい。
そこに絡む大人メイン3人。こちらもそれぞれの個性が光ってて観ていて楽しい。少ない時間で3人の人生ドラマがきっちり語られているのすごいと思う。
ドタバタコメディシーンの頭がおかしくなりそうな感じがとても良い。
笑いだけじゃなく、しっかりとゾンビらしい演出もたっぷり。絶望的なシーンまでちゃんとある。
ノロノロタイプだけだと銃火器がなくても何とかなる。昨今のスピードタイプゾンビよりやっぱり古典的ゾンビのほうが風情があって好き。
特殊メイクもそつなく無難な仕上がり。よく見ると演技の下手なやる気のないゾンビも紛れてて楽しい。
ゾンビとは?と言った暗黙の了解が最初から出来上がっているので変なストレスもなし。
ゾンビ映画とは程遠い要素、牧場、歌のお兄さん、着ぐるみ、ウクレレなどが渾然一体となって押し寄せてくるカオス。
ダンスこそないものの、ミュージカル映画の側面もあって、しかもそれがかなり良い。
韻を踏んでるセリフもちょこちょこあるので、吹き替えじゃなく英語音声で観るのがお勧め。
楽しい映画だけど下ネタだらけなので家族で見るのは避けたほうがいい。