これが発表されたときタイトルだけで吹き出したが、バットマンで異世界転生モノのような何かをやろうという意味不明の発想を十二分に活かした怪作である。
バットマンへの愛情が感じられる演出の数々、アニメでないと表現できない数々を見事に高品質で作画した神風動画。
戦国時代の日本でいつも通りのバットマン御一行vsヴィランによる戦いが繰り広げられるわけだが、脚本はあの中島かずきである。この組み合わせはとんでもない化学反応を起こした。
全編ボケっぱなしノンストップのフルスロットルで最後まで駆け抜けるのだが、「なんかよくわからんがすごい」と納得させる力量である。というか超スピードでボケすぎていてもはやツッコむスキすら見せないほどボケ倒しているのだが、スゴ味によって押し切るのだ。
さすがに製作が日本人なので純日本の歴史・原則をなぞりながら、ある意味現代日本的な、全く意味不明なスパイスが大量に投下される。
内容については百聞は一見に如かず、大方の予想を遥かに超える超展開の嵐。ネタバレには触れないが、エンディングまできちんと丁寧に作られているので、退屈せずに楽しめる。
こんなボケ倒しの歌舞いた世界観で相変わらずクソ真面目なバットマン（ブルース）がある意味本作一番のボケ要因であり、宣教師の下りは声を出して笑ってしまった。
チャンスを逃していくことができなかったが、これを劇場で観ることができなかったことが非常に悔まれる。何も下調べせずに観ることをオススメする。
