砂

ラ・ジュテの砂のレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
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初めて観たのは10年以上前で、異色の手法ばかりが印象に残っていた。
久々に観返すと内容と結末を全く覚えていなかった…

改めて感じたことはフォトモンタージュという手法は記憶の混濁の表現において優れているということだ。様々な記憶の交錯を映像で表現すれば映えるだろうが、それと対極の静止画の連続+ナレーションはコマ間の余白が想像力へモロに訴えかけてくる。映画自体も情報がそぎ落とされており、断片の連続だ。私たちの記憶も本来はドラマのカット未満の断片であることを意識させられる。

本作を観ると、飽和するほど詰め込むことで逆に損なわれる情景があるのだなと逆説的に感じ入る。一瞬の動画もまた決まっており、インパクトが強い。
また内容を忘れたときにでも観直したい。
砂