砂

ローラーとバイオリンの砂のレビュー・感想・評価

ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)
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タルコフスキー作品でこちらは唯一観たことがなかった。
さすがに学生時代の作品ということもあって王道のドラマ、という感じではあるが早くも水のモチーフを多用していたり、クローズアップの陰影などは後のタルコフスキー映画に連なる基礎はこの時点で出来上がっている。鏡による反射像シーンなど若さが見えるのもちょっと微笑ましくある。
映画のストーリーはとてもわかりやすく、時代背景を考えても粗いがけっこう出来がいい。セルゲイがバイオリンを弾いてくれ、と頼んで聴いてるうちに影が深まり対照的になりながらも物思いに浸って聴き入るシーンなどはテーマ映画としての核であり、演技の良さもあり丁寧に描かれてるなと印象に残った。
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