凛太朗

アンダルシアの犬の凛太朗のレビュー・感想・評価

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)
3.8
月に細い雲がかかったカットの直後、剃刀で女性の眼球をスパッと。
このシーン、死んだ子牛の眼を使っているらしいが、今観ても結構な衝撃。

ブニュエルとダリの共作による本作は、互いの悪夢をコラージュしたシュールの極みみたいな映画であり、この映像から意味や意図を掴もうとするのは中々に難しいけれど、月と雲の映像から剃刀で眼球を切り裂くシーンを始め、掌に集る蟻から腋毛、更にウニなどの奇妙な連想的なモンタージュが、観てる側のイメージを物凄い勢いで掻き立てる。

一見何の関連性もないような気がする映像の連続なような気もするのだけれど、実はそうでもないのかも知れないとも思う。
この15分やそこらの映画自体に何の意味がなくとも、または意味を見出せなくとも、例えばこの映画からリンチの『イレイザーヘッド』が連想されるように、何かと何かは関連しているというより、関連性を持たせることができてしまうものだと思う。
凛太朗

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