やべべっち

千と千尋の神隠しのやべべっちのネタバレレビュー・内容・結末

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

2001年のこの映画、何回も観た筈なんだけど覚えてなくて観てないと思っていた。この前雪山で遊んだ時にこの「千と千尋の神隠し」の話になり、見てないと言ったら思いっきりスモークされてやっと観る気になったという訳です。

観たらいやー凄い、今まで自分は何を観ていたのだろう、と恥ずかしくなった。

沢山考察したい所はあるけど1番の軸は湯婆婆と銭婆という双子の魔女は何を象徴しているんだろう、という事だった。
多分湯婆婆は物質世界(働いてお金を稼いで飯を食う)、銭婆は精神世界を象徴しているのかなとみれた。銭婆は私達は2人で1つと言ってたのでそういう考察は出来ると思う。
この描かれている世界が今の資本主義社会を風刺しているみたいな言説を見たけどそうか?と思った。描かれた世界は台湾の九份をモデルにしたみたいだけど中身は江戸時代の遊郭みたいな世界で今も昔もそんな変わらんのじゃないか?みたいにも見てとれた。
湯婆婆の仕切る世界も望めば仕事が貰えるし頑張れば評価されるし、ちゃんと寝泊まりする場所も保証されている。かまじぃやリンのように人情のある仲間もいる訳で。
それよりカオナシの存在が終始不気味だった。こき使われたり金に目が眩むような小物はさして問題ではないが金だけ持って居場所がなく寂しさを抱える顔を持たない人が一番厄介でこの世を破壊してしまう。そんな人は湯婆婆の仕切る世界では居場所がなく銭婆に引き取ってもらうしかない。
ハクは銭婆に半殺しの目にあうくらい恐ろしい存在なのだが八つ裂きにされる覚悟で会いに行った千裕には異常に優しくご飯をご馳走しお土産も持たせてくれた。

物質世界のみに生きると精神世界側からとてつもないしっぺ返しが来るのだ。千裕は精神がとても芳醇な娘だったので銭婆はとても優しかったのだと思う。