Masato

スパイダーマン:スパイダーバースのMasatoのレビュー・感想・評価

4.5

アクロスザスパイダーバースに向けて復習 2回目(2023.06.17)

Leap of Faith

初見時から様々なスパイダーマンの物語を経たからこそ分かる感動があった。描いていることは至極真っ当なヒーローオリジンであり、これまでに散々語られてきたことだが、それを逆に利用したメタ的な物語の深み。

全く新しい物語だとしても、これまでにスパイダーマンを通して語られてきた物語が蓄積しているからこそ、散々語られきていても、あえて説明しなくても、その一つ一つが重層的な深みがある。これぞ有名キャラの最大のアドバンテージ。

スパイダーマンの物語を体験していればしているほど、本作の物語は深くなる。


↓初見時


IMAX先行上映にて

コミックは全く読んでないが、マルチバースの概念は知っている状態で鑑賞。

アメリカではオスカーを獲得し、IMDbではグリーンマイル、インターステラーを抑えて歴代高評価映画30位(1位はショーシャンク)にランクインしているほどの傑作。

コミック読んでいる人はとてつもなく興奮するだろうなと感じる映画。スパイダーマンのバースがカオスとなるスパイダーマンのみで繰り広げられるアベンジャーズのようなお祭り映画。勿論、読んでいなくても、とにかく面白い。

フィルロードとクリストファーミラーが製作に絡んでいるということで、レゴムービーのようなストップモーションアニメと3DCGを融合した新たなアニメーション映画。それに加えて、今回はアメコミ調やカートゥーン調などのさまざまなテイストが混ざり合った、とてつもなく情報量が多いギラギラした映画。映像はレゴムービー以来に感動した。

前情報なしで挑んだため、マルチバースのストーリーは度肝を抜かれた。そして、フィルロード脚本によるマルチバースの設定の有効活用具合が半端じゃない。彼の持ち味であるメタ要素をふんだんに盛り込んだコミカルなストーリーは、マルチバースの概念とも、アメコミ調ともかなり相性が良く、特に登場人物自身も映画自身もコミックという存在を認知している上での物語の進行が面白い。(コミコンで聞けば?)

全編から伝わるジャンプストリート感が堪らない!

また、映像表現もアメコミ調を有効活用していて、コマを再現したり、ZAP!などのSEの吹き出しを使ったり、心の中の声は吹き出しを使ったりと、動くアメコミを見ているようだった。見たことはあるけど、見たことない。アナログとデジタルを重ね合わせた新しい映像表現は見もの。

キャストのマハーシャラアリが、まんまムーンライトの父親代わりのおじさんと同じで、明らかに意図して配役されているのがニクい!

曲も見事。主題歌のSunflowerは最高。まさか、この映画でJuiceWRLDが聞けるとは思わなんだ。
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