さわら

スパイダーマン:スパイダーバースのさわらのレビュー・感想・評価

3.5
世の中にいる人間で一番厄介なのは「本気でバカをする天才」であって、この映画の監督のみならず、関わった人全員がそういうタイプの人間なのだろうと容易に思われ、ほんとハリウッドはすごい。

だからといって、この映画が好きかと言われればそうではない。最初からエンジンべた踏み的展開をみせ、始めこそライド感を感じつつも、マイルス覚醒の辺りでほとほと息切れ。ラストはどんな恐怖観念があって、間を塗りつぶしていくのだろうとそればかり気になる始末。

とここまで書いて、そうかこれは映画ではなくスクリーンで観るアメコミなのだと気づく。そして、昨年亡くなったスタン・リーへのレクイエムでもあるのだ。ならば画面全体を色鮮やかに彩り、盛大に音楽を鳴らせばいい。好きではないが、マーベルの墓標ともいえそうな映画で観てよかったとは思う。