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欲望のleylaのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.8
ヤードバーズのライブ映像目当てで鑑賞しました。

その他にも、当時のロンドンの文化やファッションが垣間見れたり、音楽がハービー・ハンコックだったり、売れる前のジェーン・バーキンが出ていたり、ジャケ写にも映っている9.5頭身モデルのヴェルーシュカが見れたりなど、話題がてんこ盛り。

観終わるともう一度観てみたくなる不思議な魅力がある。

カメラマンの主人公が公園で盗撮したカップルの写真をBlow up(拡大)し、偶然映り込んでいた死体と銃口。

そこからサスペンスタッチで行くのかと思いきや、とりとめのないシーンが続き、その中にメタファーらしきものがチョイチョイ含まれ、と思ったら殺人なんて関係なかったように終わる。
何を伝えたいかはよくわからない。

かなり個人的な雑な感想ですが、ラストの白塗りの集団が行うエアテニスに答えがあるのかと。この時代のロンドンの空気みたいに
ぜんぶ、ま〜ぼ〜ろ〜し〜。
本当のことなんて何もないんだよってことかなと解釈しました。

イケイケなカメラマンで、外車に乗って女性にもモテてる主人公が、写真という実体のありそうでないものを撮っている。映っているのは幻のようなもの。

主人公は、本当は確かなものを求めているから死体にこだわったのかと。でも確かなものは見つからなかった。浮浪者などを撮っているのもそのためかな。
彼は一生、幻と共に生きて行くのだろう。

カメラマン=アントニオーニ自身なのかも。なんて思った。

ちなみにヤードバーズのライブシーンは何度も観ました。ジェフ・ベックとジミー・ペイジ在籍のヤードバーズ 。眼福。
ザ・フーに断られて彼らになったそうです。
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