しどけ梨太郎

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのしどけ梨太郎のレビュー・感想・評価

5.0
原作既読。

物語的には全てが最高なんだが、褒めようとするとどうしても原作が良いから、となってしまう。ただその良い原作を良い映画に仕立て上げているのがそもそも凄い。加代役の蒔田彩珠が本当に原作通りで驚いた。ひとつだけ物語に関して言えば、「話せない」と「話さない」の重ね合わせがとてつもなく綺麗に決まっている。
ほとんど原作と映画は同じだが、ラストは全く違う。ぼくは映画版のラストの方が良いと思う。

映画になって一番良かったことは音楽がついたこと。「魔法」、最高だ。まつきあゆむ、ありがとう。あとあの綺麗な声にミッシェルを歌わせようと思いついた人、最高なので名乗り出て。
最後、あまり音痴ではないのでは?という感じもしたけど、伸ばすところが不安定になったり、高音が上がりきらないor上がりすぎてしまったり、微妙な音階の変化を全て同じ音階で歌ったりと音痴ポイントがしっかり押さえられていて良かった。

止まることを知らないカメラも良い。揺れ動く心って感じがする。バス停の引きのショットがめちゃくちゃ良い。途中の百合ゆりシーンも良かった。