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15時17分、パリ行きのWonkavatorのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.8
誤解を恐れずに言えば金のかかったアンビリーバボー再現ドラマ。
故に『東木監督作品』という看板無しに話題性がこれと言ってない...
特に日本ではそうなんじゃないかな!?
平和ボケしてテロの脅威にも晒されず被害者にも加害者にも属さない(と思っている)民族が、ディカプリオやデップが主役を張らない作品をわざわざ観に行くだろうか!?
配給会社も『クリント・イーストウッド監督作品』を強調して宣伝するしかないという... 嗚呼日本。

彼がメガホンを取らなければ、いずれ別の誰かが企画を立ち上げたであろう内容だが、そこをイーストウッドならではのアイディア力と構成で、
単なるアメリカ万歳!に落とし込むことなく、名もなき英雄たちを主人公に軍事力と言うこととは別の意味の正義を誰もが持つことができる可能性を示した。
キャスティングも本人役を本人たちが演ずるという演出力。
これが、きちんと後半の実際の映像などに見事にリンクする。
良い意味でズルい演出...。
最近の出来事ならではの絶好のタイミングに恵まれてサクサクと企画が動いて行ったスピード感も流石。

上辺だけだが、この出来事を切り取った物語として観るには素晴らしい。
ただ、ここに「だから軍隊は必要」というような話を持ち込み始めると別の話になってきてしまうので、ここは素直に『ズッコケ3人組武勇伝』として鑑賞するのが◎。
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