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15時17分、パリ行きのakinaのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5
クリント・イーストウッド監督の最新作、実話を基に事件の当事者たちが本人を演じるという、クリント・イーストウッドの映画への飽くなき探究心が期待されるということで、気になっていた作品を試写会で。

事件・出来事自体よりも、ほとんど人物にスポットが当てられている。

幼少期に学校という社会に馴染めなかった3人の少年たち。シングルマザーであることを咎める学校に対して、その母親たちはめ一杯少年たちに愛情を注いでいたように見えたし、信仰心を含めて"人の役に立ちたい、平和の道具になりたい"と強く願い、いつしかそれが信念になっていった少年。

国を超えて無差別テロに勇敢に立ち向かった少年たちは、ごく普通の私達との違いはほんの少しの事かもしれないけれど、ああいうとっさのことが起こった時に、"信念"とか"強い想い"がその人の行動に現れるのかもしれない。

役者ではない主役の3人。
もちろん演技っぽさはあまりなく、ナチュラルな雰囲気なので、良くも悪くも派手な映画っぽさはない、イーストウッド監督らしいといえばらしい、ある人生の一部を切り取ったような作品。

イーストウッド監督が描く、リアルヒーローの究極、それが役者ではない本物の事件の"リアル"ヒーロー。
でも、きっと誰でもヒーローになれるわけじゃなくて、ヒーローになったその理由はあるんだ。
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