近時の英雄譚を映画の題材にすることがいかに難しいかを再認識させられた一作。
事件が最近でありすぎるが故に、「いじれない空気」が強すぎたように思います。オリバーストーンの「ワールド・トレード・センター」と同じ轍を踏んでしまったのでしょうか。
「グラン・トリノ」「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」を撮ったイーストウッドなら、当事者の何らかの葛藤を交えるなどして、この難しい題材をうまく料理してくれると思ったんですが…。
事件の当事者を出演させるという手法自体は映画表現としては斬新かもしれません。が、この内容をわざわざ映画という媒体で表現する必要があったのか疑問でした。