のどか

人魚の眠る家ののどかのネタバレレビュー・内容・結末

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

人は2度死なない__________
脳死となった娘と、それを思う母親、それを取り巻く人々の物語。

2人の子供を持つ薫子と和昌は浮気を理由に冷めきり別居していた。ある日薫子の母が娘の瑞穂をプールに連れていき、瑞穂はそこで溺れ脳死となる。
臓器移植をするかどうか悩むが、娘の優しさを思い、臓器移植を決意する。
当日、瑞穂の手が小さく動くのを見て、薫子は瑞穂は生きていると確信し臓器移植を止める。
なんとかして瑞穂を家に連れて帰るも、たくさんの看護技術、いつ死ぬかもしれないという恐怖や緊張感に駆られ大きな不安、ストレスの中過ごす。
そんなある日、神経を刺激する最先端の医療に出会い、薫子たちはそれにのめり込んでいく。手を上げることができるようになり、そのうち笑顔も作れるようになった。身体だけ健康になっていき、それを見て母親は期待を抱くようになる。しかしそんな姿を見て和昌はじめ周囲の人々は、「本人の意思なく笑わせることは必要か?」「機械を使って生かすことは正しいのか?」という疑問を抱くようになる。
のめり込むほど壊れていき狂気じみた母親の思いと、それを気味悪がる人々。
ある日薫子は包丁を持って瑞穂を殺そうとする。駆けつけた警察に、「みんなが瑞穂が死んでいるというなら、今殺したらわたしは罪に問われますか。それとも、罪に問われるというのなら、わたしは喜んで刑を全うします。瑞穂が生きていたというお墨付きをもらえたわけですから。」
それぞれが苦しみをぶつけ合って分かり合えた家族。
最後は脳死判定を受け、臓器移植をする。

なにが幸せか。命とはなにか。
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