「タクシー運転手」を見て以来、韓国の民主化運動と現代史に俄然興味を持ち始めた。政治とか全く興味なく、避けてきたテーマなのに映画が人に与える影響力ってすごい。1987は重いテーマを扱いながらも、決して飽きさせず、ドラマとしても秀逸。キムテリ演じる普通のノンポリ女子大生がデモに巻き込まれ、次第に変わっていく姿が印象的。
警察に置き去りにされた時に延世大学の漫画研の学生が自分と同じ白いスニーカーを持って助けに来た(泣)。この映画の前にちょうど韓ドラ「ジャイアント」も見てて、それにも1987年のソウル大生拷問死事件と教会の話が出てきた。韓国の民主化って朝鮮時代からの長年の夢であり、時代劇「緑豆の花」では民衆は武器の前に儚く散っていってしまったのを思い出す。
朝鮮時代には権力者にとって都合のいい儒教の「教え」よって生まれながらの身分差に虐げられ、そして近代では政府にとって都合のいい警察や情報部員を操る軍事政権に虐げられてきた民衆。それが変わってきたのが、ほんの30数年前というのに今さらながら驚く。
あの時代は報道の規制が激しく、だからこそ命をかけて暴いた報道の力が大きかった。今はさらにツイッターなどの誰でも今すぐ発信できるSNSが大きな抑止力になっていると思う。
ジャイアントにも1987にも妓房っぽい個室の接待や秘密会合に使う店が出てきたけど、ああいうの実話するのだろうか？
