カナイ

1987、ある闘いの真実のカナイのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.7
事実を元にした社会派の作品、出演者も多い。が、冒頭からぐいぐいと引き込まれて気がついたらそこにいた。「ひとごと」でない場所。物語の動線が見事で観る側を迷子にすることなく1987年に連れてゆく。重さだけではなく、登場人物のふとした軽妙さに親近感を覚えるし、そうした何気ない日常によって「暴力」「権力」のもたらす怖さが自分にも降りかかるようだった。
群像劇でありつつ、ひとりひとりが主人公でもある。

しんどそうな話だなーと思って敬遠している人がいたら、騙されたと思って観てほしい作品。エンタメとしても見所がある上に、今思い返してもこの内容で2時間の尺におさめているのは凄いと思う。

あと、私は先に光州事件を扱った「26年」「タクシー運転手」を観ていたので、また胸がぎゅっとなった。
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