Sari

愛の嵐 ノーカット完全版のSariのネタバレレビュー・内容・結末

愛の嵐 ノーカット完全版(1994年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

2018/01/28 シネフィルWOWOW

1957年、冬のウィーン。
とあるホテルで夜番のフロント係兼ポーターとして働くマクシミリアンは、戦時中はナチス親衛隊の将校で、現在は素性を隠してひっそりと暮らしていた。
ある日、客としてアメリカから有名なオペラ指揮者が訪れる。
マックスはフロントに現れた指揮者の妻を見て困惑する。
彼女、ルチアは13年前、マックスが強制収容所で弄んだユダヤ人の少女であったからだ。
ルチアもまた驚きの表情を隠せなかった…


陰鬱で閉鎖的な歪んだ愛。
ドロドロとした恋愛物はやはり女性の監督ならではと思う。
舞台となるウイーンのホテルや景色のシーンが薄暗く、初めてシャーロット・ランプリングが登場する場面では、その透き通る白い肌が浮かび上がるように美しさが際立っている。
シャーロットの冷たく鋭い眼差しが、ゾクゾクする程妖艶。
ダーク・ボガードのじっとり纏わりつく様な中年男性のやるせなさも良い。
この上半身裸にサスペンダー姿でダンスを披露するシャーロットの官能的かつ退廃的な美しさは残像として記憶に残る程、ショッキングであり鮮烈だ。
Sari

Sari