Yoshishun

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのYoshishunのレビュー・感想・評価

3.8
前作とは作風の異なるものの、前作のダークな世界観や容赦のないバイオレンス、ヨハン・ヨハンソンによる重低音はちゃんと継承されている。前作のラストを思えばエミリー・ブラントやドゥニ・ヴィルヌーヴの離脱も致し方無しだが、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、テイラー・シェリダンの3人さえいれば最低限の『ボーダーライン』らしさは担保できることが明白になった。

前作以上に麻薬カルテルとの攻防戦が激化し、政府要人の思惑、国境越えの犯罪者の実情という社会派な要素に加え、序盤の例のガンアクションをはじめ、まさかの子守ものも取り入れており、アクションエンターテイメントとして進化している。ジョシュ・ブローリン演じるマットの苦悩がやや希薄だったり、そもそもの米国政府の思惑入り乱れる作戦自体が妙に複雑になっており、スマートな語り口で善悪の境界を越えた復讐劇を描いた前作よりも淡白な印象を受ける。
Yoshishun

Yoshishun