Masato

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのMasatoのレビュー・感想・評価

4.3

前作も好きだけど、今作も大好き。

テイラーシェリダンの脚本最高!ほんっと人情に溢れていて、渋くて、社会性に富んでいて素晴らしい。2時間あっという間。

自爆テロの原因かと思われている密入国者。そのルートはメキシコのカルテルにあった。ボスを誘き出すために手段を問わず娘を誘拐する…

という話だが、これまた時事的。前半は特殊部隊ものだが、後半からは若干ロードムービーの効いた不思議な関係性を見せるドラマになっていたところが良い。テイラーシェリダンの脚本はテキサスとかの風景に合うね。

ところどころ憎悪任せに動くあたりの展開も最高。「皆殺しだ」「俺には無理だ」このセリフね!もうたまんないね!

インパクトの強さが良い。例えば、オープニングのテロとかは前作を踏襲しているし、大きく物語の動きが変わる部分で強調した演出を見せるのが凄い良い。

この映画で一番ムカついたのは。キャサリンキーナー演じる上司と国防長官たち。悲しいかな、座っているだけの人間は無茶を言ってきて、実際に動く人たちを愚弄するのはどこの国でも同じだね。日本でもアメリカでも。もともとアメリカ政府なんて嘘の塊なんだから信用はしていないけど、まあフィクションでも見たら腹立つよね。

しかも、メキシコからの密入国はトランプの煽動で悪い奴らと決めつけられているけど、かなりの数はメキシコ人ではなくラテンアメリカ諸国の家族連れ。しかも、もともとアメリカに搾取されてきて国が貧しいことを理由にアメリカに稼ぎを求めにきている。

一部カルテルも、本来は搾取するアメリカに反抗するために生まれた武装組織が、悪質な犯罪組織へと形を変えていた歴史があり、アメリカは自分の首を絞めているだけという話。

バイスでもとりあげられた、でっち上げのイラク戦争、イラクコントラ事件、ベトナム戦争、スノーデン事件、本作のドラッグ戦争、密入国問題。並べてみたらやらかし過ぎだろアメリカってひとえに思うよ。

結局おエライ政治家様の尻拭いを軍人たちがやらされて、酷い目にあって死んでるってハナシ。それもまた連鎖で悪質な拷問も発生している。

テイラーシェリダン特有の自国批判は現実的でパワフルな説得力がある。いやはや素晴らしい。

ベニチオデルトロもサノスもカッコいい。本当にカッコいい。イザベラモナーはロリコン案件なので辛いです。本当に可愛すぎて堪らんシャマラン。今回は生意気なお嬢さん役で、だんだんと可愛いとこ見せてくれる。生意気な小娘には説教せねばな(意味深)とか思っちゃった。
Masato

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