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ヘル・フロント 地獄の最前線のogのレビュー・感想・評価

3.8
「旅路の果て」というタイトルがはまりすぎててそれだけで辛くなってくる。
友人を慕って前線までやってきた新人将校の瞳から光が失われる瞬間がまざまざと描かれていた。ああ、最初はみんなこんな風に目を輝かせていたのだろう、そして戦場の凄惨を目の当たりにして無力感に苛まれ、希望を失っていくのだろうと思わせる。
戦場にいる人間の感情にフォーカスされた映画で、戦争を美化するシーンは1ミリもないから信頼できた。人の死に方も感動的にせず、‪あっという間に今そこにあった命が断たれている表現も信用できる‬。戦争とは非道なもので、正常な人間性を奪い、意味もなく人を殺し、上官の夕食の時刻によって特攻の時刻が決まるような信じられないことが起きるものであると教えてくれる。
ラストカット、崩壊した塹壕を上空から映しているシーンが頭から離れない。
手紙の差出人である弟が、姉がその手紙を読むときにはもう死んでいるのだと思うとやりきれない。
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