ひでG

マルクス・エンゲルスのひでGのレビュー・感想・評価

マルクス・エンゲルス(2017年製作の映画)
3.5
お勉強のつもりで鑑賞。
マルクスの「資本論」「共産党宣言」名前は何度も聞いたことがあるが、
歴史上、過去の遺産としてしか認識していなかった。
マルクスを一人の人間として意識したことは一度もなかった。

そーゆー点では、意義ある映画体験だったが、この作品自体が魅力いっぱいあるものには届かなかった。

まとても難しい題材、人物に迫ろうとしたチャレンジ精神は、誉めてあげたい、

今でこそ、マルクスらの著作をそのまま信じる人はごく限られた人たちだけだと思うが、
全世界に「マルクス主義」と称させ、影響を与えた理論書。
その完成までをどのように映像化していくか、とても難しい。

ここでは、マルクスとエンゲルスの活動の記録を交互に見せ、生活ぶりや夫婦関係や主に先行していた労働者運動家たちとの葛藤を
まあまあ効果的に表すことができたと思う。

特に二人の奥さんがとても魅力的に描かれていたことが印象に残った。夫を支え、時に後押しする同志としての妻たち。
実際にはどうか知らないが、彼女たちの存在がなけれは、2人が世に出ることはなかっただろう。
やや、理想的過ぎて、彼らの生活上の苦悩が伝わらなかったのは、マイナスだったが、、

浅学の僕は、マルクス理論について、
大まかなことしか知っていないが、
彼らが論じてきたことは部分的に今も通用する、いや、むしろ、持つものと持たざるものとの格差は、この映画の時代よりさらに拡大しているとさえ、思う。

もう通じないとは言え、まだ彼らへの完璧な反論や解答には21世紀になっても達していないのではないだろうか。
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