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『妻の貌(かお)』に投稿された感想・評価

dita
5.0
人生ベストドキュメンタリー。公開当時に七藝で観て、あまりにも感情が動きすぎて日常生活に支障をきたしてしまったので二度観るのは辛いと思ってずっと封印してきました。やっと決心して再見しようと思ったら録画したDVDが2分で切れているという悲しい事実が判明したので、観た当時に記した感想をそのまま載せます。

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被爆した妻と、その家族を半世紀もの間撮り続けたアマチュアの映像作家のドキュメンタリーです。

予告編を見る限りでは、被爆症をテーマにした重たい映画なのかと思っていたら、そうじゃありませんでした。

もちろん、根底には被爆した妻の苦悩というものがあるのだけれど、それだけじゃなくて、寝たきりの義母の介護、子育て、孫の誕生や成長といった「家族の歴史」が丹念に描かれていました。

原爆の悲惨さを題材にした映画は数あれど、その後の人生をここまで追った映像は見たことがないです。被爆者にも家族がいて、その後の人生があって、彼らの中では原爆というものが過去のものになる事は一生ないということを目の当たりにして、夏になったら広島行って平和学習したいなぁなんて、原爆被害について考える事を単なるイベントとしかとらえてない自分を恥じました。

ただ、冒頭にも書いたように、この映画は妻を通して家族を撮り続けたものなので、私が一番強く感じた事は、家族の繋がりであり、生命の繋がりであり、被写体である妻キヨ子さんの凛とした強さでした。

日常生活を送るのも辛くて苦しくて仕方がないのに、義母の世話を献身的に行い、息子の成長を見守り、孫が産まれれば喜び、滅多に愚痴をこぼさない、そんなキヨ子さんの姿を通して、根底にある原爆の悲惨さがじわじわと浮かび上がってきます。

生命というものは、原爆なんていうもので奪われていいものであるはずがないのです。人生というものは、原爆なんていうもので一生苦しめられてはいけないのです。そういう事を思いながらキヨ子さんの笑顔を見ていると涙が溢れて止まりませんでした。
キヨ子さんが映画の最後に発した言葉「一日でも早く元気になりたい」これをどういう思いで言ったのか考えると、本当に胸が痛みます。

この映画には消えゆく生命、生まれてくる生命、苦しみながらも生き続けている生命が交差していて、それを見ていると、この映画は「命」の映画なんだ、と思いました。そして、原爆という題材で、絶望だけでなくそこに生きている人々の人生の希望も描かれている稀有な作品だと思います。

一個人の半生をとおして、ここまで命の重みを感情の深いところに訴えかけてくる映像は、そうはないと思います。でもこれを観て、ただ可哀想だな、と思うのは全く見当違いです。ただただ、原爆というものが、戦争というものが、悔しいのです。
広島原爆が原因で甲状腺がんになり摘出するが、ホルモンのバランスが崩れてしまうので、取ったからといって健康になる訳ではないと聞く。川本キヨ子さんは前触れもなく起き上がれなくなるほどの倦怠感に襲われ、度々のその様子が映される。やはり妻と広島を題材とした作品、「私のなかのヒロシマ」の映像も挟まれる。

でも大部分が家事をしたり、同じ敷地内に家があるお嫁さんや孫の女の子たちの交流、義理の母親の介護をする毎日が映される。男性の影はことごとく薄く、女性を中心とした生活を男性である監督がずっと見つめているのがなんだか面白い。原爆の話がなければ主婦の日常を撮影しただけにも見える。生活の日々に潜む戦争の痛みは、「この世界の片隅に」を彷彿させる。

キヨ子さんが義理の母の世話をしてくれるのを申し訳ないと川本さんが言葉をかけるが、むしろ話を聞いてくれるので有難いと仰っていた。自分の境遇をただ語りかけることができる家族がいるというのが安心だったのかもしれないし、体の弱い自分が何かの役に立っていると思える気持ちもあったのかもしれない。自分の心配よりもキヨ子さんの酸素のことを真っ先に言ってたのには涙。そのお母さんの人生についてもう少し触れていればなおよかったなと。

終盤になって、ずっと撮っている夫に向かって「あなたは私を商売道具にして」と毒づくところがあるが、川本さんの言葉がけや二人の会話から、キヨ子さんへの優しい気持ちが十分に垣間見えた。
あのときの被爆は、老齢になって甲状腺癌という仰々しい名前の病と、忌々しい倦怠感とを妻にもたらした。その記録。編集こそなされているものの、ずっと他人のホームビデオを見せられている感覚が最後まで拭えず…。明らかに家庭用のビデオカメラで撮られているところとかは別に良いんだけど、その映像を"映画"にしようとした動機が見えてこなかった。俺には遠かった。