安堵霊タラコフスキー

映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

4.5
東映アニメーション不正アクセスの影響でデリシャスパーティープリキュアの放送を延期せざるを得ない状況の中、穴埋めという形で3週に亘り放送されたこの劇場版、なるほどプリキュア映画の中でも特に評価の高いものだけあって結構感動してしまった。

思い出をテーマにしたこの作品、記憶の忘却による仲間の赤ん坊化に端を発する主人公の育児ノイローゼだったりボロボロになって戦うプリキュアの姿を見ての仲間の復活だったり、特撮界隈で曇らせ展開や熱い展開でファンを獲得している香村純子らしい脚本が光っていた点のみでも天晴れと言える内容だった。

加えて途中で黒澤明の素晴らしき日曜日ばりに強引なメタ表現も出てくるのだけれど、そこから起死回生の展開に繋がるともなれば女児でなくともプリキュアを応援したくなる。

途中でCGに表現が変わる点も、最初は違和感あったけれども段々と馴染んできたしクライマックスのダイナミックな展開を考えるとCGという表現は妥当だったかと思う。

ともあれ70分程度で終わってしまうのが惜しく感じるくらいの力作となっており、本編放送延期によりこの作品を拝む機会ができたのはまさに怪我の功名と言わざるを得ない。