この手の映画のストーリーなんて数パターンしかないし、そもそも題材に微塵も興味はないけど、このスイーツ映画という土台に実力を隠し持った監督たちがこぞってエッジの効いた演出をぶっ込んでくるから面白い。水中撮影もアート。
どうしても河瀬直美の「萌の朱雀」を比較しながら見てしまったが、まさか本作にもホームビデオ演出を持ってくるとは驚きだった。さらにそのホームビデオをプロジェクターで投影し葵わかなが映写るシーンを本人が”恥ずかしいから”と隠す演出なんて最高すぎる。
金魚が花火を見る2人を見ているという演出も神。
原付と電車の走行に関してはヴィムベンダースの「さすらい」濱口の「親密さ」に勝ることはないが、中々良い。泣けた。
