東京の陋屋で同居生活を送る柴田治と妻信代、息子祥太、信代の妹の亜紀、治の母の初枝たちが万引きで生計をたてるも児童虐待されていたゆりという少女を連れ帰り新たな家族となるドラマ。”第71回カンヌ国際映画祭において、最高賞であるパルム・ドールを獲得した”(wikipediaより引用)作品。視聴者として良くない感性ですが高名な賞を取っているという先入観が生じているのも事実。で色眼鏡的というか月並みな感想としては俳優陣の自然な演技と「家族」とは何かという普遍的だけれども考えさられる話が良かったです…と言いたいところですが治(リリーフランキー)と信代(安藤サクラ)の生々しいエロシーンが1番印象に残りました。
ネタバレになるので詳述しませんが窃盗(婆さんもパチンコ屋からドル箱持っていったりしている)というモラルはさておき口は悪くも仲が良いという柴田一家の絆の根幹は恐らくは古来の貧しかった日本では頻繁にみられた光景でしょう。綺麗ごとな話にしなかったのと敢えてラストをあの場面にしたところに監督の作家性というか伝えたいところがあったと推察されます。家族のやり取りは明るくとも闇の部分が笑えないというところで個人的には心に残った作品です。
余談。
家族の中で唯一犯罪はせずJK見学店勤務にてゼニを稼いでいた亜紀を演じていたのは松岡茉優氏。個人的ホラー傑作(たぶん世間的には評価は低い)である『ノロイ』の実験に出てくる小学生が映画デビュー作ということを改めて知り時の流れと出世ぶりに驚いた次第。