真昼の幽霊

万引き家族の真昼の幽霊のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
-
今の日本で最も優れた撮影監督といってもいい近藤龍人と組んだことが関係しているのかどうかはわからないが、是枝監督の過去作と比較すると正面からのショットが多い。海外で「小津だ」と言われることに違和感を感じ続けてきた是枝監督が、ある種の呪縛から解放されたのだろうか。

誰しもが思うことだけど安藤サクラが強烈で、しかも「私うまいでしょ」という押し付けがましくない演技を見せる。血のつながらない“娘”を抱きしめるシーンの説得力、迫力に、もはや慄かずにはいられない。この映画には樹木希林、松岡茉優、そして出番は少ないけど池脇千鶴という化け物級の女優が揃っているのに、観客の心をごっそりと抉っていくのは安藤サクラなのである。

それにしても是枝監督、“汚い風呂”が好きですね。
真昼の幽霊

真昼の幽霊