スーパーで慣れた手つきで万引きする治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)。寒さに凍えながら家に帰る途中、団地の廊下で震えている女の子(佐々木みゆ)を見つけて、家に連れて帰る。そこには母の初枝(樹木希林)と妻の信代(安藤サクラ)、その妹の亜紀(松岡茉優)が待っていた。
万引きをはじめとする犯罪でつながった疑似家族の話。
これまでの是枝監督の集大成。
「誰も知らない」のアナザーストーリーにも感じられた。
安藤サクラが圧巻の演技。
特に取調室と面会室での演技はすごいと思った。
後で知ったが、取調室での演技は、監督が刑事役(池脇千鶴)の横に座り、その場、その場でホワイトボードでセリフを伝えたのだとか。
本当にすごい。池脇千鶴ちゃんも本当にいやらしい演技で良かった。
リリーさんの優しくて情けなくてどうしようもない人の演技、樹木希林さんの妖怪のようなすべてを飲み込む存在感、あの口パク…。
挙げればきりがないが、安藤サクラちゃんの次に印象に残ったのは、亜紀と4番さん(池松壮亮)のJKリフレのシーン。世の中から忘れ去られ、居場所がなく生きづらさを抱えている者同士の邂逅。
それと駄菓子屋の店主(柄本明)が祥太にかける言葉。
この言葉が彼を大人にさせるし家族を解体させるきっかけになる。
祥太もりんも拾われて(万引きされて)やってきた子供たちだった。
「拾っただけ、捨てた人は他にいるんじゃないのか」
その言葉が、ずっと頭の中で響いていた。
祥太はどんな大人になるのかな。いつか親を探すのかな。
いろいろ書きたいことがあるけど、まとまらないので、またいつか。