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万引き家族のkomblogのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
2.0
言外に表現されている部分が実は殆ど無い、極めてわかりやすいだけにすご~く言い訳がましいカッコ悪い映画👎👎👎

基本的には、前半はリリー・フランキー率いる仮の家族の穏やかな生活と中盤で起こる死と男の子の怪我、そこからのまさに「転落」の2部構成。

ど頭でリリー・フランキーと少年がスーパーで万引きして、何故かその後現金でコロッケを買って帰る帰り道、ネグレクトされている少女を見つけて家に連れて帰り、そこから樹木希林のおばあちゃん、あんどうさくら、巨乳役(?)の松岡茉優との昭和風の生活が始まる。

ここでは、リリー・フランキーが少女を構いすぎて少年が拗ねる、とか、少年が出ていくと少女が心配して玄関で待ってる、とかすぐケロッと仲良くなって、蝉取りとか、秘密基地的なものがあったりとか、ボケてそうだけど実は優しい爺さんがやってる駄菓子屋があったりとか、海水浴に行って楽しいな、とか、いわゆる、「ぼくの夏休み」的な昭和な平穏な子供の生活と、それと並行して、松岡茉優以上の年齢層の典型的な「現代社会の闇」みたいなもの、JKリフレとそこに来る闇を抱えているテイの客、いわゆる底辺の生活をしている教育水準の低い人達の生活、世間体を気にして失踪した娘を海外留学したテイにするまあまあ裕福な両親、家庭内暴力とネグレクトで子供殺したんじゃないか、と思われてワイドショーに囲まれる少女の親とメディア表現、などが描かれる。

ま、ここまでは、定形表現で、ただありがちなことをただありがちに映像化しただけ。強いて言うなら子供の演出部分は難しいかもしれないけど、くらいで、すごーくよくはないけど、別にすごく悪くもない。フレッシュさはないが、事足りている感じ😑

で、問題は、後半ですよ‼️

ネタバレになるのであまり書かないけど、重大な死が2件あってからの話の流れが、この作品はひじょうに問題があると思う。

問題は大きく2点。1点目は、言い訳がましいところ。

いろいろあってこの仮の家族が警察から尋問されることになるんだけど、警察官と登場人物の質疑応答から、前半で語られなかった事実関係が見えてくる、という構成上しょうがないとはいえ、尋問する警察官に対して答える主要登場人物の言葉がどうしても制作サイドの言い訳にしか聞こえなかった。

「ね❓この人達可愛そうでしょ⁉️」とか、「あなた達が批判の前提としている正しさって、どうなんですかねぇ❓」みたいなことを、あろうことか主要キャストの安藤サクラとかリリー・フランキーに言葉にして答えさせていて、しかもそれが、警察が犯罪行為の尋問としてするにはおかしい質問から引き出されている。それ、事件に関係あります❓ってゆー。

前半で言外に表現されていて、見ている側ももうわかっていることでさえ言語化されるので、よく言えば、わかりやすい👍悪く言えば、「それをセリフにするくらいなら、他に表現することがあったろ❓松岡茉優の客の件とか掘り下げろよ❗️」と怒りがこみ上げてくる💢

2点目は、あまりにも明確に言語化した結果、話が支離滅裂になっている点。

例えば、これはトレイラーで使われているはずなので、言っていいと思うけど、安藤サクラが「私達は拾ったんだ。捨てた人は他にいる」みたいなセリフが出て、本編見る前はてっきりこれはネグレクトされていた少女の件を言ってるのかなーと思ったんだけど、映画上はこの前にとある別の登場人物の死体遺棄に関する警察からの質問から、

遺棄=捨てた→いや、捨ててない。拾った。

からの「捨てた人は他にいる」=それこそが批判されるべき何かだ、という主張になっているんだけど、これは明らかに支離滅裂‼️

この「遺棄」の対象となるキャラが安藤サクラとリリー・フランキーに出会ったときには、このキャラには少なくとも家族がいたことが前半で語られている。仮に、離れて住んでいたから、当該キャラは孤独だった、というのなら、捨てたのは、社会とかではなく、その家族。これはむしろ、中盤で出てきたリリー・フランキーのどーかしているロジック「店に置いてあるものは、まだ買い手がついていないので、誰のものでもないから万引きしていい」にむしろ近い行動‼️

子供がネグレクトされてて、その周辺住民からも苦情とか手助けもない中、「拾いました」とかいうなら、なんかドヤ顔で警察権力に対して言うあのシーンなりセリフはそれなりの正当性があるけど、家族間の問題について民事不介入の警察にドヤ顔されてもねぇ、という感じもするし😩😩😩

もっというと、前半に出てくる、樹木希林に「マンションに引っ越せ」といっていたとある悪意を匂わせるキャラと、独居老人に近づいてその金を当てにして漬け込んだリリー・フランキーと安藤サクラって何が違うの❓という倫理的問題が発生する。。。というか、そもそもリリー・フランキーと安藤サクラは明らかにきれいごとや正義を語る側の存在ではないのなら、なぜ、言い訳がましいシーンを後半に作ったのかもよくわからない🤷‍♂️

「いや、世の中、綺麗事だけじゃ語れないじゃないっすかー❓」って話なら、見る側に判断を任せればいいと思うんだけど、多分、見る側に判断を任せると、登場キャラのやってることがやってることなので、綺麗事を言わせてmixed feelingにさせようとしたのかな、と・・・とすると、やっぱりこの映画は極めて言い訳がましい、と思う🙅‍♂️

mixed feelingという点でいうと、結局この話の結末も何が良くて何が悪いと言ってるわけでもない。明らかにBad endを迎えた少女。どうなったんだかよーわからん松岡茉優。なぜか倫理観に目覚めた少年。。。

そういえば、この少年が倫理観に目覚めるプロセスもこの映画は支離滅裂だったし。。。

こんなにプロットの整理が出来ていない感じを見ると、やっぱり、言い訳をする必要性が何らかあった。それは、この映画の売り方と制作側の都合であった気がする。だって、はじめっからパルムドール取れると思って作っていたはずはないわけで、とにかく世間を煽って批判を浴びた上で、客を集める炎上商法🔥を制作サイドの「誰か」が考えたとしたら、その火消し要素を作品に入れ込んでもらわないと困る、ということはあったのかな、と🤔

そういうことでいうと、倫理観云々でこの映画を見ているにしろ、見ていないにしろ批判している人は、まさに作者側の術中にハマっているだけなので、頭わるいなーと思う👎むしろ批判すべきは、この映画の出来と言い訳がましさ👎👎👎

別に、倫理的にいいことだけを映画で映さなければいけない道理はない。そんなこと言ったら、ハリウッドブロックバスターの9割は引っかかるだろうし😂だから、別に万引きをテーマにしてもいいと思うし、子供の誘拐も、老人が死んだあと死んだの隠して年金だまし取るのも、実際日本で起こったことのある犯罪なので、Based on true storiesだと思うから別にいい。問題は、批判されることを見越して、後半に一切関連性のない言い訳セリフを並べ立ててるところで、「映像🎬」で勝負するべき映像作家としてあまりにもかっこ悪いと思う👎👎👎

そこは、言い訳をセリフにするんではなく、「見て感じ取ってください」くらいの姿勢でないといけないと思うし、是枝さんもそうしたかったんじゃないか、と思うんだけどね。なんかノベライズやって、「これが本当に俺が言いたかったことだ」みたいなことやってるみたいだし…制作に関わっている某TV局とかから言われて不本意ながら作った映画なのかなぁ、と…それで賞とっちゃうって、どんな気持ちなのかね❓🤔 いづれにしても、この作品を取り巻くスキーム全体がかっこ悪いと言わざるを得ない🖕

評価としては、星は2つ⭐️⭐️テーマ性の近い俺の去年のNo.1映画「Florida Project」(英語版に絶賛評を書いたはずなのに消えてるけど…)と比べると足元にも及ばないかなー。なにしろ、音として発しないセリフさえ言語化して樹木希林とか少年につぶやかせてるからね、この作品‼️まーしょーもないですよ…😩

映画としてはあれだけど、いいところがないわけではない。おれは、松岡茉優のJKリフレ的なシーンをA-B再生するためだけに、Blu-rayを買うなっ❗️あの小刻みな上下動っ👙やっぱりオパーイは偉大っ‼️何なら、松岡茉優シーンだけで1000円で売ってくれないかなー💸
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