誤解していた。一度こぼれ落ちるとどうにもならない底辺の暮らしを描く社会派のテーマだと思っていたら、全く違う話であった。万引きを始め色々法を侵しつつ生活する底辺の暮らしぶりや底辺特有の色々欠落した振る舞いはインパクトあるけれど、それは表層的な引きでしかなかった。本当の構図は終盤になって明らかになるが、これを語るといわゆるネタバレになってしまうなぁ。 (と思ったけど、世間のレビュー見てるとわりとみんな書いてるな)
まあでも、十分予想可能で致命的ネタバレにならない範囲で言うと、「家族って、家庭って、何なんだろうね」という問いに集約する話であった。
家族の一人一人に異なる物語があり、すべてがかなり饒舌に語られていて非常に内容が多かった。と言っても台詞が多いわけでも進行が早いわけでも何でもないけれど、一言一言、ちょっとした仕草にもメッセージが詰め込まれている。無駄のない演技と演出から、登場人物みんな、思うところが手に取るように伝わってくる。ほんとにリリー・フランキーも、安藤サクラも、樹木希林も、子役たちも、全員すごく良かった。
後でネタバレつきでもう少し言及するかも。
