オトマイム

祈りのオトマイムのレビュー・感想・評価

祈り(1967年製作の映画)
4.5
全編、詩のようであり激流のようだった。目も眩むような幻想的なファーストカットに始まり、視点が自在に変わるナレーションが彼らの心情を代弁し、ほぼ会話はなし。キリスト教とイスラム教との対立を軸に人間の尊厳を描いた本作は残酷でこのうえなく美しく、なにか古典劇を観ているような荘厳さがあった。
深い闇に揺らめくロウソクの灯/人物をロングショットで捉えた雪景色/コントラストを極限近くまで強め白とびしたショット/カメラをなぞる指。どれもこれも絶対に見落としたくないと思う力強い映像美。

「こんなかわいい子が産まれるといいわね」→まさかの。→白いドレスがカーテンのように吊るされた入り口→→吊るし首、溢れるひかり。この流れにはしびれた。こんな映画を観たことがない。すばらしかった。