恋人を事故で失ったドイツ人ケーキ職人のトーマスと、その恋人の妻で、イスラエルでカフェを営むアナト。同じ男性を愛した男女の不思議な交流を描くストーリー。
ひたすら静かで美しい作品だった…。
音楽が美しい、色彩やインテリアが美しい、トーマスの作るケーキやお菓子の数々が美しい。そんな中でトーマスもアナトもさほど美男美女ではない、でもチャーミングなのが妙にリアル。
欧米の作品でのユダヤ人差別はよく観るけれど、今作はイスラエルが主な舞台。戒律ゆえにドイツ人のトーマスの方が行動に制約を課せられるのが新鮮だった。
終盤までトーマスの本心が分からないから、割と淡々と観ていた。が、ラストまで観ると切ない… とっても切ない…
他国で同じ設定の作品を作ると単にドロドロしそうなところ、今作は純粋な愛の物語。イスラエルとドイツという設定も狙ったんだろうなあ…
2人の気持ちがわかったうえで観直すと感想が変わりそう。いずれまた観たい作品。