彼が愛したケーキ職人の作品情報・感想・評価

上映館(2館)

「彼が愛したケーキ職人」に投稿された感想・評価

リリー

リリーの感想・評価

3.8
静かに心にしみる良い映画でした。またイスラエルのユダヤ人の人々の生活を垣間見られて得した気がします。人々が、ユダヤ教の戒律を大切に守っていることがわかります。非ユダヤ人であるドイツ人トーマスが店のオーブンを使ってしまって騒ぎになる様子には少し驚きました。
次々と現れるドイツのケーキ(チョコレートケーキ)やクッキーがとても美味しそうで甘そうなイメージとは裏腹に、三角関係の恋愛がとても苦くて残酷です。人のことを強く想う気持ちは、時には他の人を激しく傷つけてしまうのですね。
無表情なトーマスの心の内がはっきりわからないので観る人の想像にまかせる演出がかえって良いと思います。特に最後のシーンでは、トーマスはこれからどう生きていくのか、彼の恋人の奥さんのアナトはどう決断するのか、想像が膨らみます。でも、どう決断しても2人の心の傷は癒えないでしょう!

このレビューはネタバレを含みます

悲しすぎ…とても良い映画でした。オーレンのお母さんは、オーレンの相手がトーマスなのを知ってたのかな やっぱり。
せつ

せつの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

空気感が好き。でもね、ドイツ人報われてほしいよぉおお少し、いや、かなり可愛そうだった。でも、ドイツまで女性は来ていたし、結末は自分自身てとこで、高評価!
独特なテンポと音楽
結ばれた理由は決して
愛では無く
喪失感を埋めたかった女と
愛する人のルーツをなぞりたかった男

女はいつも
感情的で打算的だ

愛する人の本心が知れた事
それがトーマスの
唯一の救いかもしれない
み

みの感想・評価

4.0
いや、これ、かろうじて美談の体裁保ってるけど、女男女だったらめちゃくちゃこわい話じゃないか!?と最初思いましたけど

トーマス、恋人に彼の妻との情事の詳細を聞いたり、イスラエルに妻を見に行ったり、ついには彼女の店で働いたり、どうしてそんなに自分を追い込む?と不思議でした、わたしなら絶対に、絶対に嫌だ

でも思うに、トーマスは彼の過ごした街ごと、彼の愛した女性ごと、彼のことを愛そうとしたのかな?
彼の愛したやり方で妻を抱いたりしたのは、一見復讐のようであるけど、トーマスの朴訥な人柄でそんなことができるはずがないんだ
小麦粉をこねるときの、クッキーの味を褒めてもらえたときのあのうれしそうな顔を見てくださいよ、あいつは菓子づくりしか取り柄のない男だが、裏表のないいいやつだよ!わたしが保証する!
だからこそ、あの夜の真相を聞いたトーマスの喜びとも後悔とも言えないあの表情ですよ
せっつねー

ちょっと話逸れますが、
アナトに言い寄られたトーマスのふんわり避ける感じとか、そのときに着てた水色の熊のプリントのあるロンTの間抜けな感じとか、かなり野暮くてよかったですね
で、そのあと始まっちゃうんですけど、調理台に乗りなさんな、とか、はよケーキ作らんと30個間に合わんぞ!とそこだけちょっと気になりました
すみません、これはどうしても言いたかった

ラストは、トーマスの住む街、夫が過ごした街ごと、今度はアナトが愛するのかな?
曇り空と悲しげな音楽が印象的でした
Koko

Kokoの感想・評価

3.0
出てくるペストリーが全て可愛い。美味しそう。

純粋で真っ直ぐな愛情に涙が出てきた。
ずん

ずんの感想・評価

4.0
めっちゃ良かった!
もっと多くの人に見て欲しい劇押し作品

ベルリンで彼らは出会い、別れ
エルサレムで彼の大事な人と出会う

とても優しく繊細なタッチで描かれる映像に吸い込まれそうになりました
ドイツ人の青年、トーマスがこれまたキュート!むちっとした体で生地をこねる姿が可愛かった

宗教の決まりでドイツ人が働くにあたって色々禁じごとがあり、その辺りの紆余曲折もとても上手く描かれていました

最後、彼女が見上げた空のカットで好きが溢れました
宗教や文化を超えて愛する人が残した痕跡を確かめるように始まる元妻との関係。幼少時から"足るを知る"よう教えられてきた孤独な主人公だからこそ、すごく切ないです。

また、舞台となったエルサレムの雑然として晴れない雰囲気にとても惹かれました。トーマスが作るケーキもどれもおいしそうなこと。昔、ハイデルベルクで食べた黒い森のケーキはあんまりおいしくなかった気がしますが、、改めてドイツ菓子を食べてみたくなりました。
【人生のレシピの話】

おいしそうな香りに誘われて映画館へ。

『彼が愛したケーキ職人』観ました。

「恋人」を不慮の事故で失ったケーキ職人の主人公トーマスと、「夫」を亡くし女手ひとつで息子を育てるアナト。ベルリンの彼とエルサレムの彼女。「同じ男性」を愛したふたりを結びつけたのは、ケーキだった。

トーマスのケーキにはひみつがある。

彼は生地にそっと悲しみを閉じ込める。オーブンで焼き上がる頃にはきっと柔らかい儚さへ形を変えるから。それは、甘い味よりも先に優しい香りを、本当に必要な人へ届けてくれるから。

カフェを営むアナトのコーヒーにはひみつがある。

彼女は悲しみを苦味で誤魔化す。その香りで痛みを紛らわす。そっとミルクを入れたら、消えない傷も柔らかくなるから。同じように喪失感を抱えた人に、寄り添うことができるから。

愛してしまったケーキ。
忘れられないクッキー。
気まぐれに見せかけたエスプレッソ。

人生という名の“お菓子作り”に必要なのは、甘いエッセンスではなく、隠し味の涙なのかもしれない。

鑑賞後、残る後味はケーキのような甘さか、クッキーのような香ばしさか、あるいは、カプチーノのようなほろ苦さか。

ささやかな喜びと涙で、自分にしかできないブレンドを生み出したい。

そんな小さな希望をプレゼントしてもらえる、静かで温かい映画だった。
えみ

えみの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます


思ってたストーリーと違ったけど、
素朴で静かなとても「良い映画」

トーマスの作るスイーツが匂いや味が伝わそうなくらい美味しそうで、それだけでこの映画高評価。笑
美味しそうな映画ってよくないですか?

愛する人を失ったあとどんな形でもいいから間接的にその人と繋がっていたいと思うトーマスの姿が切ない。背中は凄く広くて大きいのに、彼を思い出してる時はその後ろ姿が頼りなく見えて、寂しそうなんですよね。
その寂しさと甘いスイーツのバランスもこの映画の好きなところ。良くできてるなあ。

お気に入りのシーンは冒頭のトーマスが生地をこねるところと、イタイとデコレーションするところと終盤の泣くところ。どこを切り取っても綺麗。
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