たむたむ

黙秘のたむたむのレビュー・感想・評価

黙秘(1995年製作の映画)
3.7
S・キングが自身の著作を映画化した『ミザリー』 でアカデミー主演女優賞に輝いた女優、K・ベイツに当て書きしたとされる『ドロレス・クレイボーン』を、『愛と青春の旅だち』のテイラー・ハックフォード監督が映画化したミステリーサスペンス。

夫や富豪未亡人の殺害容疑を掛けられた母、事件調査に乗り出したジャーナリストの娘が数年ぶりに再会を果たし、二つの事件の真相を通して絆を取り戻していく様を描く。

評判に偽りなしの高い完成度。
男性優位の社会で耐え忍ぶ女性たちの哀しみと怒りが、見事に表現されていた。

やはり特筆すべきは、30代から50代のドロレスを演じ分けた主演キャシー・ベイツの圧巻の役作り。当時47歳だった彼女は本作のドロレスを、これまで演じた中でも最も気に入っている役柄と公言しているそうで、『ミザリー』のアニー役に勝るとも劣らない熱演。
編集の巧みさも相まって、フラッシュバックによる過去パートと、現在パートが交錯する複雑な構成でありながら、鑑賞者が迷子になることなく物語に没入できる点も評価したい。

脇を固める娘役のジェニファー・J・リーや、刑事役クリストファー・プラマーの名演も然ることながら、個人的にイイなと思ったのはセリーナの幼少期を演じてた子役のキャスティング。表情がジェニファーに良く似ていて、違和感なかったのは地味に良かったw

ダニー・エルフマンによる控えめなスコアも素晴らしく、本作がゴールデングローブ賞やアカデミー賞の候補入りを一つも果たしていないなんて、俄かに信じ難いですゎ(°_°)
たむたむ

たむたむ