のんchan

ラ・チャナののんchanのレビュー・感想・評価

ラ・チャナ(2016年製作の映画)
4.5
圧巻💃😭💃😭💃😭

フラメンコのバイラオーラ(女性の踊り手)は数多くいる。
ただ、どこの出身かと言う事で踊り方も違ってくる。
当然ヒターノ(ジプシー)の出身となると正に身体にコンパス(リズム)が鼓動と同じように身体の中に存在している。
とにかく足が楽器のように信じられないリズムを紡ぎ出す。

ラ・チャナ (本名アントニア・サンティアゴ・アマドール) は、子供の頃から親戚らが踊る姿を見て、ラジオを聴いてフラメンコのリズムを自分なりに捉え、身体の中に染み込ませて行った。14歳でギタリストの叔父と一緒に舞台に立つようになり、18歳で結婚・出産。夫がマネージャーとなりフラメンコダンサーとして最盛期を迎え、サルバドール・ダリを魅了し、映画『無責任恋愛作戦』で共演したピーター・セラーズにハリウッドに招かれるも、封建的なヒターノ 社会で女性が自らの意見を言うことは許されず、ハリウッドに進出することはなかった。その後も彼女の人気は衰えを知らず、テレビ出演や世界ツアーなど、全てのアーティストが目指す頂点にいたが...影では夫から嫉妬、家庭内暴力を受け続けていた。まだ30代の時、夫は全財産を持ち居なくなり、借金だけが残った。1人娘を育てながら茫然自失の時期があり、38歳で再び踊り出す...
最後は現在(当時71歳)糖尿病を患いながらも命の限りと言わんばかりにステージに立つ。というか膝に負担がきていて立って踊れないので、椅子に座ったままなのだが、それはそれは正確な完璧なコンパスを刻み、若いカンタオール(歌い手)達を叱咤激励しながら、共にステージで大観衆の拍手を浴びる👏👏👏👏👏
言葉で書いても無理がある。ぜひご覧いただきたい。涙せずにいられない😭😭😭

再婚した夫は幼馴染みでもある魚屋さん。
とても優しい人で安らいでいられる。チャナの幸せそうな笑顔が良かった✨
孫のパフェを横取りしようとするチャナお婆ちゃん😋超かわいい🤣



《余計な話》
12年間フラメンコ💃を踊っていた時期があり、スペインへもレッスンの為4回行った。私はアンダルシアのセビージャに師がいたので、ラ・チャナとの接点は無かったが、このコンパスを当時知っていたらどうだったろう?怖気付いて何も出来なくなったかな?時が過ぎ、今ならコンパスの意味がスーッと入って来る。日本人がいくら真似ても所詮真似事。血は変えられない。
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