私のような人間が評価していいような作品ではないと思う。ただ、一人でも多くのひとに観てほしい。
遠い国の現実を他人の現実としてではなく、自分と同じ人類の現実として受け入れるために、関心を持って理解しようとするために。
“戦争に勝者などいません。どちらも敗者です”
この言葉が全てを物語っている。
あの戦場の様子、銃の音に爆弾の音。そしてボロボロになった遺体が掘り起こされる様子を間近で見ている子どもたちの姿。
また街に愛が戻ったと思えば、再び危うくなる。その繰り返しのなかで日々、大切なひとを失いながらも沢山のひとが強く生きている。
私のような、戦争も戦場も知らない人間の言葉で語るにはあまりに惨く、悲惨な現実。言葉が上手く出てこない。
きっと、あのラジオから聞こえる『おはようございます』の声が街の人々を支え、心が温められていることを願って。