爆裂BOX

トゥルース・オア・デア ~殺人ゲーム~の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
アメリカ版王様ゲーム「Truth or Dare」を題材にブラムハウスが製作したスーパーナチュラルホラーです。アメリカ映画とかでよくパリピな若者達がこのゲームしてますよね。
YouTuberのオリヴィアは大学の友人達とメキシコに旅行に向い、現地で知り合ったカーターと共に廃教会で「トゥルース・オア・デア」を行うも、カーターは「真実を語らないか挑戦を断ると殺される」という奇妙な警告を残して逃げるようにその場を去る。教会でのパーティーの後、旅行から帰った彼らは、道行く人や無関係な相手から唐突に「トゥルース・オア・デア」という質問を受ける奇妙な現象が発生。更に、挑戦を断った仲間の一人が不自然な事故で死んだ事から自分達が命がけの呪いのゲームに巻き込まれたころを知る…というストーリーになっています。
呪いのゲームに参加させられてしまった若者達の運命を描いたオカルトホラーですが、ティーンホラーらしくサクサク進んでいきます。
呪われた廃教会で「トゥルース・オア・デア」を行ったばかりに主人公達は呪われて周りの人達が突然凄い笑顔で「真実か挑戦か?」聞いてきて、真実を選んで嘘をついたり、挑戦を選んでやめたりしたら憑依されて事故に見せかけて殺されてしまう事になります。更に真実を言う事で「親友が浮気していた」「親友の彼氏が好き」「実は彼氏の方も…」という隠していた秘密が暴かれて友人関係がドロドロと破綻していく所は中々楽しめました。挑戦のほう選んでも命がけのチャレンジやらされることになります。冒頭の前に巻き込まれたジゼルも挑戦選んで店にいた客に火をつけてたけど、あの場を生き延びられても殺人犯として指名手配されることになったからどっちにしろ人生摘んでるんだよな。
突然周囲にいる人や、仲間が「スマイル」みたいな怖い笑顔になって「真実か挑戦か」と迫ってくる所は割と不気味でいい感じでした。CGかと思ったけどメイキングとか見るとそうじゃないのかな?ルールを破った者が憑依されて不気味な笑顔浮かべながら自殺のような形で次々と死んでいく所は「ファイナル・デスティネーション」彷彿させます。ビリヤード台から落下して首折ったり目にボールペン突き刺したりしますが、描写的にはアッサリしたものでグロくはないです。
ずっと「真実」選べばいいんじゃね?と思いますが、後だしじゃんけん的にそうできない理由が語られたりもします。ここはちょっとズルいなぁと感じましたね。
主人公オリヴィアは意識高い系YouTuberで、友人達と共に必死で事態止めようとしますが、清純派な優等生に見えて意外とそうでもないというか、隠された秘密も明らかになっていく所も面白かったな。親友のマーキーはビッチ系に見えて父親の事深く愛してるという設定もちょっと珍しく感じた。そりゃ、主人公はあの事言えないよね…マーキーの彼氏で主人公も思いを寄せてるタイラーは、オリヴィアの事気になってるのも真実だけど、結局愛してたのはマーキーだったのか。イケメンナイスガイって感じだけど見終わって考えてみたら割とクズな気もしますね。ペネロピは結構友達思いな子だったんだな。折角「挑戦」で助かったのに…
終盤で呪いのゲームの出自も明らかになっていきますが、結局悪魔かよ、と。まあ、「挑戦」や「真実」のやり口の嫌らしさには納得いく所あったけど。
終盤の展開も、悪魔が憑依して殺して妨害するのは反則過ぎないかとも思いましたね。カーターは元凶と言える存在だけど、銃で脅されながら「なんで俺が…」と言いながらも舌切ろうとしたり根っからの悪って訳じゃないんだよな。
ラストのオリヴィアの行動は最初のゲームで「エイリアンがメキシコの全人口とここにいる自分達どちらを犠牲にする?」と聞かれて「ここにいる全員を犠牲にしてメキシコの全人口を助ける」という答えへの皮肉になっていて好みでした。結局主人公も自己中心的な人間だったんだな。
グロ描写もなくホラー描写もアッサリですが、テンポよく進んで気楽に見れるティーンホラーで、ライトなホラーみたい時にはぴったりの作品ではないでしょうか。