ナオヤ

キックボクサー ザ・リベンジのナオヤのレビュー・感想・評価

2.9
この映画で一番面白いのは体重差ガン無視とつけられた邦題キャッチコピーなのです。たぶん。




ヴァンダムのキックボクサーシリーズの続編でヴァンダムが主役を降り、弟子の育成に回っているいわばヴァンダム版クリード。そしてその2作目である今作はさしずめヴァンダム版クリード炎の宿敵だ。

といえばなんか面白そうだけど、こんなこと出来るんだぜ!と見せたいアクションが先行しすぎてストーリーがはちゃめちゃ。ほんとにはちゃめちゃ。アクション映画に野暮なこと言うなと言われそうだけれど、さすがにもうちょっとなんとかなんなかったのかレベル…

また随所に入る過去の名作アクションのオマージュシーン(長回し大乱闘にはサンプリング元の映画の曲が使われたり、有名な全面鏡張りの部屋での格闘)など、ニヤリとさせられるというか、逆に作り手が今の気付きました?とニヤニヤしながらこちらの様子を見てるかのようなあざといシーン作りになんだか居心地の悪さすら感じる。

主役を演じるアランムーシはアクションのキレも良く、肉体美も素晴らしいがこれまたヴァンダムのアクションの良くも悪くも独特の味を100%継承しており、ここら辺は賛否分かれそうなところだが、往年のヴァンダミングアクションが好きな人にとってはまさに後継者がいた!と感涙ものなのかもしれない。(当たってもあんま痛そうじゃないペチペチ蹴り、コンビネーションの決め技は妙なアクロバット攻撃、開脚&開脚)

その他爪痕を残そうとしすぎて主役そっちのけでめちゃくちゃカッコいいヴァンダム師匠、死にかけた彼氏に危険な興奮剤を心臓に直でお注射しちゃうヤバ目の彼女、一回試合に負けたにもかかわらず死ぬまでは負けじゃねえ!第三ラウンド開始だ!とか超理論振りかざす主人公、悪態つきながらも主人公の無理屈に付き合ってくれる悪に染まりきれない悪役など、コロナ禍の殺伐とした世の中ぬ必要な、ちょっと肩の力をいい感じに抜ける要素満載。タイソンもでるよ♡

酷評レビューみたいになったけど、やっぱこういうの嫌いになれないんだよなぁ…笑
ナオヤ

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