アガサ・クリスティーのファンとしては見逃せない一作。原作も読んだし、確かに最高傑作っていうくらいのことはあるなと思った。原作で素晴らしいのは登場人物のセリフの口調や本心が全て伝わってくること。そしてそれがそれぞれ違う方向に「ねじれて」いること。
今回の映画化にあたっておばさんのキャラクターがより豪快な性格に変わっている。出来事も省略されたり統合されたりしてる。あとラストも派手になってる。
まずいいところは時代設定が変更されてるけど、イメージ通りのゴージャスな美術と衣装。絵になる撮影も要所要所あってよかった。正直もうそれだけで満足。安心。グレン・クローズは『天才作家の妻』より全然こっちの方がいいよ!すごく素敵だった。あと終わり方がいい!爆発してTHE ENDで終わる、これでいいんだよ!
よくなかったのは、正直映画にする以上仕方ないけど何人かのキャラクターは掘り下げ不足。特にジョセフィンとクレメンシイ。どちらも印象的なキャラクターなんだからもうちょっとさ。クレメンシイはすごく素敵な役なんだよ。
あとジョセフィンは普通にかわいいから説得力ないよね。
でもクラシックなつくりで個人的には好きでした。