ShinMakita

アガサ・クリスティー ねじれた家のShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.9
第二次大戦後のイギリス。ギリシャ系の富豪アリスティッド・レオニダスが急逝した。元外交官で今は私立探偵をやっているチャールズ・ヘイワードは、このレオニダスの孫ソフィアの訪問を受ける。ソフィアとは外交官時代に色々あった仲のため、チャールズはソフィアの相談に耳を傾けた。彼女が言うには、祖父は病死ではなく、毒殺されたらしい。犯人はレオニダス家の一員に違いないというのだ。あまりにセレブなため警察が捜査を逡巡している間に犯人探しをしてほしいというソフィアの依頼を、チャールズは断ることができなかった。

というわけで、チャールズが大家族の暮らすレオニダス邸に足を踏み入れてみると、こんなメンツでございました……
レオニダス氏の美人後妻はビッチ臭プンプンのブレンダ。レオニダス氏と前妻の間に生まれた長男フィリップ(トシ食ったニート、あるいは脚本家)と妻マグダ(アル中女優)は、ソフィア、ユースティス(生意気ティーンエイジャー)、ジョセフィン(おてんばバレリーナ)の両親だ。フィリップの弟ロジャーは、レオニダス氏の後継者として会社経営を任されているが負債を抱えており、その妻クラメンシーは公然とレオニダス家を非難する化粧品の専門家。さらにはユースティスの家庭教師を務めるイケメン青年ローレンス、ジョセフィンの世話をやく乳母も住み込んでいる。まさにクセ者揃いの面々だが、大黒柱となっているレオニダス氏の義姉レディ・イーディスが皆をまとめている。彼らの供述に翻弄されながらチャールズは捜査を進めるが、そんな中、第2の事件が…


「ねじれた家」。アガサ・クリスティ原作です。

➖➖➖

なかなか面白かったですねー。金田一映画のようなキャラ配置で、もっとドロドロ感があればロス・マクドナルドみたいな雰囲気。真犯人は途中で読めるけど、退屈させない見せ方が巧い。ただ、チャールズは正直あんまし有能じゃない気もするが(笑)。
レディ・イーディス役のグレン・クローズは流石の存在感。警部役のテレンス・スタンプは昔と違ってマイルドになっちゃってたなあ。色気あるイケメンで鳴らしたジュリアン・サンズはただのジジイになってしまったが、ジリアン・アンダーソンの変貌ぶりには楽しませてもらったね。この手の映画はオチが解ったら二度見る気にならないのが難。
ShinMakita

ShinMakita