ちろる

クラッシュ・テストのちろるのレビュー・感想・評価

クラッシュ・テスト(2017年製作の映画)
3.7
勢いでなんなら怒りに任せてなにかを進めることが必要な時もあるのだろう。
アグラエのかわいげのない感じや、行きすぎた破壊欲は褒めれたもんじゃないけれど、ロードムービーとして描くのだったらこれくらいじゃないとダメだよね。

社会風刺をしているのか分からないけど、ヨーロッパの雇用問題においてこんなことが内々にでもまかり通るなら、権力者から見て下々の者の人権なんてものは意味をなさないのだろう。
始まりの不条理な状況を、忘れてしまう後半のアグラエの逞しさ、強さはある意味神々しいし、その彼女が孤独と葛藤しながら通過する砂漠地域の大自然の映像の美しさは同じくロードムービーの奇跡の2000マイルを思い出した。

「私は好きよ、自分が普通だと感じられるから」
いい台詞だった。
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