ミチロウ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのミチロウのレビュー・感想・評価

4.0
西部劇のスターだが、時代が変わり徐々に落ち目になっていく俳優リック・ダルトン(デカプリオ)は、落ちていく自分をなかなか受け入れられない。
リックの相棒であり、専任スタントマンであるクリフは、当然リックの仕事が減ると共に自分の仕事も減っていくのだが、いつでも自分を保っていて、相手がどんな立場の人間であろうと自分を曲げることが無い。
華々しく成功したらそのプレッシャーに苦しむ。自分らしさを貫いて気ままに生きるのもさほど楽ではない。まぁ、自分に合った道を生きるしかないということか。
このふたりの対比と友情を中心に映画は進行していくのだが、前半はタランティーノらしくない、あえて冗長な作り方をしている。特に車で移動するシーンは長々と音楽を流し続けていて、これがまたおかしな空気感を生み出していて面白い。後半クライマックスではだんだん近づいてくる惨劇に向けて緊張感を高めていく。
そして最後は血みどろぐちゃぐちゃなのになんだか笑ってしまう展開に!
シャロン・テート事件をなんとなく知ってはいたけど、ちゃんと知ってみるともっと笑えただろう。

あと、ブルース・リーやスティーヴ・マックイーンのそっくりさんが最高でした。こういうユルさの塩梅はタランティーノの真骨頂ですね。
ミチロウ

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