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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのoのレビュー・感想・評価

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待ちに待ったタラちゃんの新作。
学生時代にパルプ・フィクションやレザボアドッグスをDVDで見てタラちゃん映画にハマった人間として、彼の新作映画を映画館で見られるだけでうれしい。
タラちゃんらしい映画愛に満ちた「古き良きアメリカ」をまざまざと見せつけられて感慨深い思い。
スターからやや落ち目になりかけのリックと、彼のスタントマン・クリフの表裏一体のバディ感を脂の乗ったレオ様とブラピが演じるのだから、これ以上の贅沢はないでしょう。
ブラピはどのシーンでも様になる円熟のアラフィフぶりで、カッコいいのレベルが段違いでため息ものでした。
そして賞レースでは恵まれなかったレオ様は役柄と本人の生き様がダブるキャスティングが見事にハマって、スター性と落ち目の苦味がちょうどいい塩梅で味付けされて絶品もの。
その2人がバディで終始ムダなようでムダな場面がほとんどない映画となっていて、これはタラちゃんの成熟だと思うんですが、初期作にあったくだらなさの味わいからは離れるものでもあり、その変化を噛みしめていました。相変わらず選曲が良くて、車を流すシーンは最高。
予告編で流れるリックが子役の少女(これがまたすごくいい)に耳打ちされるシーンは、本編で見ても役を超えた感涙ものです。
終盤の展開は個人的な好みから外れますが、それは自分がそれだけ歳を重ねただけのか、やんちゃさを忘れないタラちゃんへの気恥ずかしさなのか、それでもタラちゃんらしさを感じる、これまでの総決算的内容で大満足。
これまで彼の映画に関わった人がわさわさ出てくるのもうれしいかぎり。
この映画からタラちゃんを好きになって初期作から見る若い人が出てくると思うと、うらやましい気持ちでいっぱい。
ウェルメイドの極みを味わえる今年を代表する映画だと思います。
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