よーすけカサブランカス

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

3.7
イングロリアスバスターズ、ジャンゴに続く歴史改変もの、復讐ファンタジーもの?なのだが、見比べるまでもなく前二つの題材とは改変される歴史のスケールがまったく違う。あの事件には多数被害者はいるが、タランティーノはたった一人の女優を救うために歴史を書き換える。そもそも歴史を改変すること自体とてもセンシティブな行為なのだが、今作の場合それを通り越して、ある意味ベタな物語になっている。批判されながらも前作までのような豪胆さが好きだった僕は、タランティーノが今回ベタをやる意味があるのかという疑問を抱いたのだが、それほどに映画人としてあの事件への思い入れが強かったんだと思うことにする。ただマンソンファミリーの動機をフィクションへ敵意に読み替えるというアイディアは面白いが、じゃあ全体としてフィクション讃歌な物語になっているかというとそこは微妙だと思う。