最高、泣いた。
ジェームズ・ガンの最後の置き土産。
ジェームズ・ガン3部作の最終回ということで全てのキャラクターの救済と成長が描かれます。
漫画でもなんでも最終回に向けては風呂敷を畳に入るのでテンポやトーンがダウンしていきがちです。
今作もそういう部分がないとは言えません。
それでも……
それでも……
こんなん泣いてまうやん。
一作目二作目で大好きになったアイツらの最高のフィナーレでした。
今作で主に描かれるロケットの過去話が重すぎる。
どう考えても鬱展開しか考えられないあの改造動物達の集団の回想がキツい。
そら、ロケットもやさぐれるわ。
今作のテーマとしては「ありのままの自分を受け入れる」という事でしょうか。
前2作で散々ツッコんでいたロケットが最後に「ロケット・ラクーンだ」と原作の名乗りを上げるシーンは「アベンジャーズ
アッセンブル」に匹敵する名シーンでした。
ロケットが過去の自分であるアライグマ達を救うシーンは泣けます。
個人的にこういう現在の自分が過去の自分を抱きしめるシーンに超弱いです。
「サニー 永遠の友達」とか。
しかし個人的に一番グッときたのはドラックスでしたね。
ハイエボリューショナリーに作られた子供達が泣くだけなのに、サノスに改造され無力だった昔の自分を重ね合わせ苛立つネビュラの前で子供達を笑わせるドラックスのシーンは今年ナンバーワン級に泣けました。
人の価値は見た目でも能力でもないというガン節が炸裂していました。
ガモーラとクイルが安易にくっ付かないのが凄い好印象。
ここで最後にくっ付いたら生まれやら宿命やら運命やらに縛られるなというガーディアンズ魂に背いちゃいますしね。
新キャラのアダム・ウォーロックも良いキャラ。
ピースメイカーもそうですがこういうマッチョでバカだけど憎めないみたいなキャラ描くの上手いですね。
ちゃんとカタルシスやかっこよさを感じるアクションやキメシーンがちゃんとあるのも素晴らしい。
何か近年のMCUはスーパーヒーローのかっこよさを描くよりもテーマや社会的公正さを描く方が優先されているのではないかと感じる部分も多かったので。
そういう意味で今作の裏MVPはハイエボリューショナリーを演じたチュクウディ・イウジでしょう。
強さはそこまででもないにしてもMCU史上こんなに邪悪で許せないヴィランはいないくらいに憎たらしい。
「吐き気をもよをす邪悪とはッ!何も知らなぬ無知なる者を利用することだ!自分の利益のために利用する事だ!」とブチャラティの気分になりましたよ。
その彼のおかげでこれだけ盛り上がりましたし、やはりヒーロー物で重要なのは悪役ですね。
とにかくシリーズの全キャラが報われる最高に上がるエンディングでした。
ちゃんとケヴィン・ベーコンもフォローされていて安心。
新生ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも最高でしたね。
一時期ジェームズ・ガンを降板させたまま今作を作りそうな雰囲気でしたが、本当に良かった。
最後にお決まりの「〇〇は帰ってくる」と煽りがありましたがガン抜きでどうすんの?
もう今作で終わりでいいじゃないですか。