けんけん3号

焼肉ドラゴンのけんけん3号のレビュー・感想・評価

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)
3.3
戦後から高度経済成長期の日本で、小さな焼肉屋を営む韓国人一家の話。貧しくても家族想いで、泣いたり笑ったり喧嘩したり、常連客も交えて大騒ぎ。辛くても明日を信じて、日々一生懸命に生きている人間の姿がパワフルに描かれている。時に乱暴で無茶苦茶だが、根底には家族への愛情や人を想いやる気持ちがあるので、見ていてなんか安心するというか、ホロリとするような温もりがある。とにかく父親、母親を演じた韓国人の2人の俳優の演技が素晴らしかった。日本語のセリフは意味が解らず言っていたらしいが、そんなことは微塵も感じない上手さで流石だった。辛いことの方が圧倒的に多かったんだろうが、この頃の方が、今と比べると、人間同士の繋がりが深かった気がする。頑張って働けば何とかなった時代で、社会全体が希望を持っていたのでしょう。現代は人との繋がりは希薄でハラスメントの嵐、ネットでは匿名での誹謗中傷があふれ、社会全体の希望は?・・・。この映画の頃に比べたら、信じられない位便利な時代だけど、沢山の大切なものを失くした気がする。簡単には言えないけど、古き良き時代だったのかな?