焼肉ドラゴンの作品情報・感想・評価

焼肉ドラゴン2018年製作の映画)

上映日:2018年06月22日

製作国:

上映時間:125分

ジャンル:

3.6

あらすじ

「焼肉ドラゴン」に投稿された感想・評価

HirokiSo

HirokiSoの感想・評価

2.8
Japanese Film Festival@カンボジア

日本とカンボジアの交流を深めることを目的に、大使館や国際交流基金が実施してる無料の映画祭にて。

初日第2弾はYakiniku Dragon(焼き肉ドラゴン)
舞台は高度経済成長期の大阪。在日コリアン人の家族の物語。意外にもよく知ってる近所なのに途中で気づき、余計に感情移入しながら観た。

狭く汚い町にあって、泣き笑い怒り悲しみ、それでも日々は過ぎていくし、そこで生きるためにすべて乗り越えていくしかなかった。
常にどっしりと構えて動じないアボジの心からの切なる願い。
拙い日本語で店を切り盛りしながらも常に娘たちと息子を思うオモニ。

最後にはバラバラになる家族だが、離れていてもずっと繋がっているというオモニの言葉は、まさにそのもの。
愛を感じる、物語だった。

このレビューはネタバレを含みます

見終わってからの余韻が消えない。露骨に表れている戦争の諸相から人間模様まで詰まった笑いながら泣き、泣きながら笑う2時間であった。三女の縁談の際語ったキムスンホの寄りのシーンが印象的である。騒がしくある意味平和な焼肉ドラゴンの要所要所に影を落とす戦争や複雑な家庭状況がこの映画にただのコメディではなく感情を揺るがすような深みを与える大きな役目を果たしている。と思ったら唐突に吹き出してしまうようなコメディ要素が混在しており、まだ見ていたいようなすっきりと完結したような気持ちになった。
Japanese Film Festival 2018 in Vietnam HCMにて
Nyamath

Nyamathの感想・評価

3.4
おもろかったよ
吉本新喜劇を観てる感じ
って言ったら怒られるかしらん
思ったより
泣かせようとしてる感をとってしまい
割と冷静に観てしまった自分が残念すぎる。
70年代東映映画を少々見過ぎた者としては、大島渚監督映画『締死刑』のなかで渡辺文雄が言った、半世紀前当時でも映倫から問題とされた台詞を、本作の最大の不満としておもいだしました。すなわち
「おい、朝鮮人の兄弟だから、もっと朝鮮人らしく、どぎつく、変った風にやってくれ」(『大島渚1968』p166)
具体的に言うとテンポが現代っぽくイマイチ遅いのが最大の原因か。

あと、末っ子の男の子が進学校の入試を合格とはとてもおもえない、ただわめくだけのアホの子とでしか描かれていないのもマイナス。

作品の重要なメッセージは親父の告白からはじまるラスト30分ほどに集約されているようにおもうので、そこだけは必見!ということでいいですか。
りお

りおの感想・評価

2.5
予告を見掛けた記憶はないし、なぜこの作品を観に行ったのかは未だにわからない。
多分、タイトルのインパクトと関西弁が聞きたかったから?
のっけから物語の舞台となる大阪の小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」の店主の長男・時生の一人語りで始まる本作。
何となく、舞台モノっぽいな、と思ったら元々は戯曲らしい。
大阪万博時代の大阪で焼肉店を営む在日コリアンの夫婦には、三人の娘と一人の息子がいた。
店は常連客でいつも賑わい、質素ではあるが穏やかな日々を送っていた彼らだったが、一人息子の時生は在日コリアンへの差別による学校でのイジメに苦しんでいた。
三人の娘達もそれぞれコンプレックスを抱えており、時には激しい姉妹喧嘩が繰り広げられる。
それぞれがいろいろな思いを抱えて必死に生きていこうと奮闘する中、在日コリアンへの差別は激しさを増していく・・・
ストーリーはさておき、役者陣の体当たり演技が素晴らしい。
皆素晴らしいけど、アボジとオモニの存在感よ!
普段は無口だがたどたどしい日本語で自らの切実な思いを熱く語るシーンのアボジ、常連客にも手厳しく、早口でまくし立てながら店を切り盛りするオモニ。
あー、こんな夫婦の経営するお店なら私も喜んで常連客にして頂きたい。
全体的にテーマは暗いのですが、時折挟まれるコメディ要素がたまらない。
大泉洋と真木よう子の婚約者の返杯のシーンとか。
あれさすがに水だよな笑
ラストシーンがよくわからなかったけど、合成とかじゃなくちゃんとワンカットで撮られていたのなら命懸けのタイミングだよなあ、と。
やはり舞台ベースの作品だから普通の映画とは違う感覚で、最後まで違和感が拭えなかったのですが、まあたまにはこんな作品も悪くないかなという印象です。
「高度経済成長期の片隅で描かれる、小さな家族の、大きな歴史の物語」とありますけれど、大阪の在日コリアンの家族を中心にした話で面白かったですし、なかなか教材みの高い映画でしたね。
元々が演劇だったらしく、まあ喜怒哀楽を前に出したやかましさは否定出来ないですけど、それ自体がポジティブなエネルギーとして感じられて私は好きでしたよ。
彼らは事あるごとに「あー!!」って叫ぶんですよね。もうこの叫び自体「言葉にならない感情の発露」「やりきれない思い」だったりするわけですけど、そういう叫びは伊丹空港に降りるジェットエンジンの音にかき消されるわけですよ。
時は1969年から71年。大阪万博が開かれて、オイルショック前の高度経済成長期の日本が伊丹空港のジェットエンジンの音に象徴されている、いわば「在日コリアンたちの声にならない感情や叫びを、俺たち高度成長期、戦後の日本人はかき消してきた、まともに向き合って来なかったんやぞ」っていうメタファーになってるんですよね。歴史に翻弄される人々の姿が教材み高いですわ#。
じゃあ一方でそういう重い社会派な話かというと別にそういうわけでもなくて、まあ割りにドタバタした家族の話や色恋沙汰がバタバタ続く。これも結構演劇的に、登場人物がフレームアウトしてったり掛け合いをしたりとか面白かったですし最高でしたね。ご返杯!とか。
言ってしまえば「別にこの話を在日コリアンの家族の物語のなかで描く必要があるのか」みたいな話も言えますけど普通に面白かったです。
終わり方も凄く上品ですよ。映画の中ではまあ、それなりにハッピーエンドなテイストで終わっていくんですけど、現代に生きて過去をしっている我々からすると「うわぁ...」っていう部分も含むエンディングになってる。しかも「でも...やるんだよ!」の構造も含まれていて最高でしたね。
「たとえ昨日がどんな日でも、明日はきっとええ日になる。」というコピーは、凄くアイロニカルに計算されたコピーだと思いましたね。
saki

sakiの感想・評価

4.0
韓国との関係、日本人としてちゃんと知って考えないとな、、と思った。

喋れない時生の気持ちが強く伝わった。すごいなぁ。

どうしようもないけどなんとか生きていかなきゃいけない、何回も胸が苦しくなって泣いた。
個人的に苦手な要素が多く、没入感が薄かったです。

好きなところ
彩度の高さも相まって、1枚の絵画のような素晴らしいカットがいくつかあった。屋根の上から街を見渡すシーン、親子で河川敷を歩く頭上を飛ぶ飛行機、役人との一悶着の後に寄り添う夫婦の後ろ姿など。

苦手なところ
舞台がセットメインであることに起因するカメラワーク、原作がある映画特有の不自然にテンポが良い台詞回し、作り物がして入り込めないです…朝ドラ感…
※朝ドラは嫌いじゃない

設定、背景上、致し方ないですが登場人物の思慮が浅く感情的です。それらに対して“嫌いだけど、憎めない”とか“かけがえのない瞬間こそ人生の本質”的なテーマと解釈しました。普遍的ではあるけれど、新規性は無く、現代においては共感しづらい印象です。

そんなこんなで、
「なんで大きい声出すの?大きい声出したって解決しないよ?」的なテンションで終始一歩引いてしまいました。
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